謎にあらず、今の利回り曲線平たん化-SF連銀エコノミック・レター
- ✔️低インフレや低めの中立金利などが長めの債券利回りの重しと分析
- ✔️物価圧力が急速に高まれば、タームプレミアムが急上昇も
米金融当局が主要政策金利の引き上げを進める中でも、長短金利の差は狭まっている。2004年6月-05年12月の利回り曲線「平たん化」をほうふつとさせるトレンドだ。
連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長(当時)はこの2000年代半ばの出来事を「難問」と呼んだ。だが、今回の平たん化は謎ではないとサンフランシスコ連銀のリサーチアドバイザー、マイケル・バウアー氏は同連銀の「エコノミック・レター」で指摘する。
バウアー氏は、金融当局が短期金利を引き上げてはいるが、低インフレや低めの中立金利、政治的不確実性がいずれも長めの債券利回りの重しとなり、低位に抑制していると分析。これは、仮に物価圧力が急速に高まれば、期間が長めの債券保有に対し投資家が求める上乗せ金利(タームプレミアム)が上向き始める可能性を意味する。そうなれば、平たん化の流れは逆転し、債券市場の低利回りを一つのよりどころとする株式市場のバリュエーションに冷水を浴びせかねない。
バウアー氏は「インフレトレンドが突然上向けば、想定されるインフレリスクは急速に逆転し、同様に米金融当局のバランスシートについて投資家の予想が急に変化するか、別の理由で米国債の相対的な魅力を巡る投資家のセンチメントが悪化すれば、タームプレミアムが急上昇する恐れがある」との見方を示した。
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