2017年11月27日月曜日

ドル円、ディスインフレの世界観

藤戸氏:
材料面では、米長期金利が為替相場の鍵を握っている。米経済統計は良好なものが多いが、米10年国債利回りは足下で2.3%台に貼り付いたままだ。

最大の要因は、低水準のインフレ率である。FRBの物価のベンチマークはPCE(個人消費支出)コア・デフレーターだが、9月は前年比+1.3%の低水準に過ぎない。10月消費者物価のコアも同+1.8%とターゲットである2%を下回ったままだ。11/22に発表されたFOMC(公開市場委員会)議事録でも、多くの参加者は、「低インフレが過性の原因だけではなく、より持続性のある状況を反映している可能性がある」と述べている。

イエレン議長が「謎」と呼んだ現象は、想定以上に長期化することをFOMCメンバーも認めざるを得ないようだ。FRBの二大使命は、雇用と物価のコントロールである。この低インフレ率が続けば、「金融政策のノーマル化」という命題はあっても、四半期毎に利上げする展開は想定し難い。

今年12月の利上げは確実だが、フェデラルファンド・レート(短期の政策金利)先物において、市場は甘く見ても来年2回程度の利上げしか読んでいない。米経済は2%台前半の巡航速度での拡大が期待できるが、低水準のインフレ率と同居した「過熱なき成長」の可能性が濃厚だ。

となれば、ドル高論者の「米利上げによる日米金利格差の拡大」は、よりマイルドなものになりそうである。過大な円安期待は抱けない。

…とのこと。
私としてはこの辺りの指標は下方トレンドに晒されているが、基本はサイクル論者です。「2つ沈んでは1つ戻す、3つ沈んでは2つ戻す」。そんな簡単には経済は一方的に変質しない、割り切っています。勿論、安定成長の前提がありますが



今週PCEがあったと思いますが、ディスインフレシナリオはまだ、継続するでしょうか???


なお、続きが有ります。

藤戸氏:
しかし、日本の企業業績の点からは、来年相場が今年と同様な107~115円程度のレンジで推移すれば十分である。

円高対応策の充実ぶり、戦略部門の高収益化が顕著となった現在の日本企業ならば、多少の円高が収益トレンドを屈折させることは、まずないものと思われる。

さすがに1ドル=100円割れはまずいが、瞬間105円タッチ程度ならば十分克服可能だろう。世界経済の回復傾向は続き、イノベーションに伴う高機能製品・部品への需要は一段と高まるものと思われる。となれば、足下の円高で株価が抑制され、揉み合う局面は、むしろ拾い場と見たい。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

宮田直彦さん(MUMS)

(底入れか) 4 月 27 日に 127.41%だった TOPIX 騰落レシオ(25 日)は低下傾向(5 月 30 日は 94.23%)。またこの日の日経平均RSI(14 日)は 37.8%へ低下した(5 月中旬には 70%を超えていた)。TOPIX は一時 1731 まで下げ...