▶️米国、税制改革案の公表(大和総研)
[要約]
2017 年 9 月 27 日(米国時間)、トランプ政権と議会共和党指導部は共同で税制改革案を公表した。2017 年 4 月 26 日にトランプ政権が単独で公表した税制改革案から大きな変更はなく、また、概要を示したにすぎないのも 4月の改革案と同様である。個人の連邦所得税及び連邦法人税共に、ほぼ減税項目が並ぶ内容となっており、今後 10 年間で2.2 兆ドルの減税となると試算されている。
個人の連邦所得税に対する改革案については、最高税率を現行の 39.6%から 35%に引き下げ、税率構造(ブラケット)を現行の 7 段階から 12%、25%、35%の 3 段階にして簡素化するとともに、標準控除を約 2 倍にするとしている。
連邦法人税については、世界で最も高いとされる現行の 35%から、20%に引き下げるとしている。パススルー事業体に対する課税についても、25%に引き下げるとしている。
【今後の見通し】
今般の改革案は基本的には減税項目が並んでおり、今後 10 年間で 2.2 兆ドルの減税となると試算されているが、諸控除や租税特別措置の廃止などの増税となる具体的な項目については言及されておらず、現時点では、最終的な減税規模について想定することは困難である。
トランプ政権は年内にも税制改正法案の成立を目指すとしているが、例えば、州税・地方税の控除廃止などについては、比較的税率が高いとされるニューヨーク州、カリフォルニア州、ニュージャージー州などの共和党選出議員が反対する可能性も指摘されており、短期で結論が出ることは考えにくい。
年明けに税制改正法案の成立がずれ込む可能性も含め、今後は議会の議論を注視する必要があるだろう。
2017年10月9日月曜日
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