日本企業は為替依存体質から脱却しつつあり、収益力は高まっている。株価はバブルの半分程度だとしても企業利益の規模は比較にならない実力が醸成された。
日本にはFAANGの様な存在が無い為に、いつまでも経過してもトヨタ依存の従来産業主体的な構造を指摘できる(こういう構造はPERが高くなりにくい)。が、驚かせる様なイノベーションは無くとも…単に、海外生産比率を高めた結果でも、為替耐性として業績に現れている側面もある。日本お得意の「カイゼン」だ。
ポジティブリーズンがある一方で、日銀のパーフェクトプロテクションが割高を形成していると表現する事もできるし(推定1,000円)、日経平均の構成価格のおおよそ半分は米国株由来だと推定される。
同時にやって来ているのは米国バブルの様な事態で米国株価は世界的に見ても異常な伸びを示している上に、バリュー拡張による株高感が顕著だ。日本株も当然その恩恵を受けているのは疑いようが無い。
しかも税制改革期待プレミアムまで乗っているとすれば(強気モメンタムは過去最高)、米国の尻尾たる日本株をどのように評価するべきなのだろうか?
そしていつもの強気論者はここぞとばかりに吐き出す。これからは日本株が為替を動かす?それは言い過ぎだろうと思うが、米国株から日本株が少しずつ独歩していく可能性については、どうだろうか。
今まではそんな姿、見えなかったけども。
豊島さん:
米連邦準備理事会(FRB)議長人事が決定後の円相場変動要因としてヘッジファンドがひそかに注目している材料が「日本株高」だ。FRB人事が決まっても、米連邦公開市場委員会(FOMC)は合議制であり、2018年の利上げ回数や資産圧縮ペースについては、依然不透明感が残る。
そこで、新たな要因として日本株高が意識され始めたわけだ。欧米市場で、長く欧米株高に劣後する「日本病」のレッテルを貼られてきただけに、日本株上昇という要因は新鮮味がある。
FRB人事にウォーシュ氏やテイラー氏などのタカ派が任命された場合では、ドル高・円安に振れるだろうが、日本株高は、その円安傾向を更に助長するシナリオが考えられる。
一方、パウエル氏やイエレン氏再任となれば、ドル安・円高に振れるだろう。その場合は日本株には下げ材料になろう。しかし、為替離れの傾向が顕著な今回の日本株高トレンドの中では、日本株安も限定的と思われる。それより、日本株高が醸成するリスクオン効果により、「安全通貨」としての円が売られる可能性がある。
為替が膠着状況の中で日本株が上昇したことで、日本企業の為替変動に対する耐性が強まったことが確認された。これからは、日本株が為替を動かす状況も想定しておく必要があろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。