4月16日の欧州訪問時(ドル円は106―107円台で推移)に比べると、110円より円安レベルでドル売り円買いポジションを造成したいとの声がいくつか聞かれたのは印象的だった。
こうした考え方の背景にあるのは、欧州の投資家と同じように、円が実質実効レートで見て歴史的な割安水準にあるという認識だ。あるシニアファンドマネージャーはこの点にかなり強くこだわっており、今後少しでも世界経済が変調をきたせば、円は大きく上昇するとの見通しを示していた。欧州同様、米国でも、円の上昇余地が、足元の割安感からすれば、長期的には大きいと考える投資家が多かった点は注目に値するだろう。
一方、ある投資家は、「今年これまでに利益を大きく出している投資家は概して少ない。従って、米国の短期金利上昇によってコストが非常に高くつくドル円ショート(ドル売り円買い)ポジションを造成、維持できる向きはそう多くないだろう」とも指摘していた。
こうした状況を総合的に考えると、特に材料がない中でのドル円ショートポジションは維持が難しく、逆に巻き戻される(損切りでドル円が買い戻される)可能性が高いとも言えそうだ。
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